このレビューはネタバレを含みます
No.3970
シネフィルたちが泣いて喜びそうな、邦画史上最大級のトンデモ映画を残してくれた橋本忍大先生、本当にありがとうございます!!w
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映画に命を与え、その作品をダイナミックに動かすためのエネルギーを与えている、さまざまな動力源、
それは時に、役者の熱演であったり、美しい構図・カメラワークであったり、音楽であったり、監督の演出であったりする。
この映画が映し出しているのは、その諸要素のほうではなく、
その諸要素がエネルギー源となって動かしている「エンジンの内部」の仕掛けのほうを、丸々曝け出している、非常に稀有な映画。
人類が見たこともないような複雑怪奇な巨大エンジンを丸出しにした、マッドマックスに出てくるような車みたいな機械が、
延々と爆走しているのを見せつけられているような、そういう感覚の映画。
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そのわけのわからないエンジンを動かすためのエネルギーを得るため、
お市はひたすら走り続け、シロも走り続け、作曲家も走りに走る。
走るだけじゃなくて、自動車に乗ったり、新幹線に乗ったり、果てはまさかのスペースシャトルまで出てくる。
こうして、それぞれが自分で走り続け、自家発電しながら、この映画を動かし続けている。
だから最後、宇宙空間であの笛が「止まった」とき、この映画も終わりを迎えるのである。