TaiRa

幻の湖のTaiRaのレビュー・感想・評価

幻の湖(1982年製作の映画)
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日本映画史に残るトンデモ映画。監督経験もある名脚本家がどうやったらこんな映画作れるのかは謎。橋本忍のキャリアもこれでぶっ壊れてしまった。

マラソン好きのソープ嬢が愛犬を殺した犯人をマラソン勝負で追い詰め復讐する話。気が狂ったあらすじだがそういう映画だからしょうがない。その上、ここに戦国時代の悲しい話がブチ込まれるがどういう関係があるのかはよく分からない。橋本忍がブナの木に話し掛けた時に思い付いたイメージを映画にしたらしい。ラリってたのかな。過去・現在・未来を女の情念が駆け巡るみたいな事をやりたかったみたいだが、何故ソープ嬢がマラソンしてるのかは分からない。80分くらいの添え物映画なら愛犬殺しの犯人を探し出すミステリーなんてのも面白いかもしれないが、これ164分の大作だ。『砂の器』症候群に毒された橋本忍が同じ手を使って大失敗してるのも凄い。いや、犬との思い出を美しい音楽に乗せて見せるのは良いんだけど(犬かわいいし)、それを入れるタイミングも動機も何もかも乗れない。終始奇怪なシーンの連続である意味デヴィッド・リンチの作品とかに近い気もして来た。ただ無駄に知識を詰め込んだ結果、下手な観光PR映画になる瞬間とかもあって辛い。まぁクライマックスのマラソン対決が始まったら気分はアガる。というかこの頃にはハイになってる。「勝った!!!」って喜ばれた時は声出してツッコミたくなったけど。ラストの宇宙遊泳も死ぬ程ダサくて完璧かよと思った。
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