Omizu

ニーチェの馬のOmizuのレビュー・感想・評価

ニーチェの馬(2011年製作の映画)
5.0
【第61回ベルリン映画祭 審査員グランプリ】
『サタンタンゴ』などの鬼才タル・ベーラ作品。ベルリン映画祭で審査員グランプリと国際批評家連盟賞を受賞、キネマ旬報外国映画ベストテンでも第1位となった。

素晴らしい…感嘆するしかない。これぞ映画の持つ力。

淡々と、白黒で父娘の日常が描かれていく。しかしある訪問者が来た日から少しずつおかしくなっていって…

まるで世界の終わりを描いているようだ。重厚な音楽も相まって鳥肌が立つほど壮大で深淵。

終わり方からして、これはタル・ベーラからの人類へのメッセージなのかと思った。このまま良くない方向に突き進めば、火のない真っ暗闇になる。犠牲になるのは一般の庶民だ。そう言っているように思えてならない。

音のメリハリ、映像の力をこれでもかと言うくらい感じた作品だった。言葉にならない感覚的な感動が襲ってくる。とてつもない傑作。
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