《1889年のトリノで、馬が鞭打たれる場面を見たニーチェが崩れ落ちた、という有名な逸話を導入に置く。ただし本編が追うのはニーチェではなく、その“あとの側”にいる父と娘と馬。嵐の中で、馬は働かなくなり…
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息が詰まるほどの沈黙が支配する部屋の外では、ごうごうと風の音が恐ろしいほどに鳴り響いている。
繰り返されてきた父娘の日常が徐々に狂いだしてもなお、父は気づこうとしない。あるい…
背筋が凍るような死と暴力、恐怖の匂いで満ちているのに、言いようのない神秘的な美しさを感じた。
暴風に閉じ込められた小さな一軒屋が舞台なのに、そこに世界の全てが凝縮されているような気分になった。ひっく…
父と娘の日常をただ淡々と描写していく。しかし、不穏な音楽と嵐の激しさに導かれるように、次第に日常は歪み、終焉の予感が漂い始める。最後には静寂と暗闇が世界を包み込む。
タル・ベーラとアンドレイ・タル…
初見。
先日亡くなったタル・ベーラ監督の遺作をDVD鑑賞。
まず、冒頭の、馬を写し撮った長回しが凄かった。
(体感で)数分以上あったと思うが、強風の中を比較的遅い速度で走る、荷車を引く馬とその御者…
非エンタメの極北。
茹でたじゃがいもを左手だけで皮を剥きながら食べる場面はすべての映画の中で最も食欲をそそられない食事シーンだと思った。
荒地で暮らす父と娘のルーティンの中で日毎何かを失っていく…