猛烈としか言いようがない風はどのように起こしているのだろう。ぼんやりと観ながら、だんだん風の音に感覚が麻痺していくような気になりつつ、ようやく風の吹く外から家に戻ってきたと思ったら、熱々に蒸かしたジャガイモを、皮むきに苦戦しながら食べる。ひたすら食べる。
そうやって繰り返される日々が、ただただ延々と続くのだけど、どこかに昏さが漂う描写は、まるで螺旋の階段をどんどん降下しているような気にさせる。それでも日常は繰り返され、風の中を歩き、ジャガイモを食べ続ける。
ただ、それを繰り返し、それを撮り続ける。
映画だからこそ出来ることだと言わんばかりに。