Maoryu002

リバティ・バランスを射った男のMaoryu002のレビュー・感想・評価

4.2
上院議員ランス(ジェームズ・スチュアート)と妻ハリー(ヴェラ・マイルズ)が西部の町シンボーンでのトム・ドニファン(ジョン・ウェイン)の葬儀にやってくる。かつて、東部から来たランスは悪党リバティ・バランス(リー・マーヴィン)との対決に、トムの助力を得て勝利し、そこから政治家の道を進んだという過去があった。

ジョン・フォード監督による西部劇だ、西部劇色は非常に薄く「大いなる西部」に近い人間ドラマが描かれる。
こういう映画、すっごい好きだ!
撃ち合いはほどほどで、最後に種明かしがあるなんて、なかなか西部劇にはない作りだった。

西部の荒々しい男ジョン・ウェインと、東部のインテリ男ジェームズ・スチュアートがぶつかり合いながら信頼関係を築くというところも「大いなる西部」のグレゴリー・ペックとチャールトン・ヘストンにとてもよく似ている。

どうしようもない悪役リバティ・バランスを演じるリー・マーヴィンが、いかにも悪そうでいい。出演作では「キャット・バルー」や「モンテ・ウォルシュ」がすごく好きだが、やはり悪役が一番映える!

一方、この映画のジョン・ウェインはあまりにもかっこ良すぎ。
ヒロインのハリーはどこかで見たと思ったら、「サイコ」で殺されるジャネット・リーの妹を演じたヴェラ・マイルズだ。田舎町の頭が良くて働き者の女をとても印象よく演じている。

そして、この映画では編集長と保安官がお笑い担当で、ジョン・ウェインが知らん顔しながらエドモンド・オブライエン演じる編集長の帽子を叩き潰すあたり、ジョン・フォード監督の定番の笑いも健在で嬉しかった。
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