ニカイドウ

英国王のスピーチのニカイドウのレビュー・感想・評価

英国王のスピーチ(2010年製作の映画)
5.0
2011年アカデミー賞作品賞。
吃音に悩む王様っていうのが面白い。
しかも実話で、この映画の主人公バーティ(言語聴覚士のライオネルはそう呼ぶ)はジョージ6世で、故エリザベス女王のお父さんらしい。
イギリス王室に詳しくないけど、2人の子供のどちらかがエリザベス女王なんやと思うと、一気にストーリーが現実味を帯びてくる。
初めはイヤミなヤツと思ったバーティやけど、吃音を治療する個性的な言語聴覚士のライオネルとのやり取り、家族を愛する姿。そして、弱い自分と泣きながら戦う姿に好感を持ち始め、いつの間にか好きに。イギリス王室にも好意を持ってしまう。
バーティが真面目で融通が効かないのが滑稽で、ストーリーにコメディ色を添えている。
バーティ役のコリン・ファースの演技がとても良いんやろうな。
バーティの吃音を治そうと診察するライオネルも個性的で、医師ではなく言語聴覚士という点も注目する部分。2人が親交を深めていくのも良い。
『鑑定士と顔のない依頼人』のジェフリー・ラッシュが演じてます。やっぱり演技が良い。
『英国王のスピーチ』はバーティとライオネルの物語で、この2人の役者の演技に感動する物語と言っても過言ではないと思う。映画の世界に引き込まれる演技。素晴らしい。
あと、バーティの奥さん役のヘレナ・ボナム=カーターは、『アリス・イン・ワンダーランド』や『レ・ミゼラブル』での悪役や『ファイト・クラブ』のメンヘラ彼女が板に付いていたけど、今回は真逆。控えめで素敵な、愛に溢れる女性。とても良かった。
ラストのスピーチは色んな意味で辛いものがある…
ニカイドウ

ニカイドウ