クラーウィス

英国王のスピーチのクラーウィスのレビュー・感想・評価

英国王のスピーチ(2010年製作の映画)
3.8
アルバートとライオネルローグの絆に感動。身分を超えた友情と信頼を築き、ローグの吃音治療は言語的な訓練だけでなく、精神療法も兼ねていた。
こういう作品には、いつも二人の間に『壁』があり、今作では王族と平民での身分の違いがまさに『壁』として表現されていたが、徐々に心を開いていく描写が本当に自然で素晴らしい。二人の距離感が変わっていく過程が見所です。

ローグはアルバートと徐々に打ち解け、コミュニケーションの達人でした。彼の会話には自分のスタイルに乗せてしまう引力のようなものがあって、アルバート王子を手玉にとる様子は楽しかったです。大胆不敵なやり取りも治癒に貢献した大きな要因の一つだと感じた。

クライマックスのスピーチはやはり胸が熱くなりますね。イギリスが危機的な状況を迎える際に、国民を鼓舞するためのスピーチ。まさに、ハートを伝えられるか、伝えられないかというシーンでした。
史実に基づきながらもエンターテイメントとしての面白さも兼ね備えた名作でした。