りょうすけ

英国王のスピーチのりょうすけのレビュー・感想・評価

英国王のスピーチ(2010年製作の映画)
3.8
「英国王のスピーチ」

吃音の国王ジョージ6世と言語聴覚士ライオネル・ローグを題材にしたブロマンス。第83回アカデミー賞にて、作品賞、脚本賞、監督賞、主演男優賞を受賞した。

おそらく前回観たのは2013年なので、約10年ぶりに再鑑賞。第二次世界大戦に突入する英国を支える存在として君臨したジョージ6世。前半はヨーク公として、後半は国王として国民の前に立つために、自身の吃音と向き合う様が描かれている。

ヒトラーの演説風景を見るジョージ6世のシーンは非常に印象深い。人を寄せ付ける演説をするヒトラーには、彼なりに思うところがあっただろうし、本作において重要な「国を率いていく指導者になる」というテーマを一番意識させたのはこのシーンかもしれない。もちろん、ラストの演説シーンもだが。

なんと言ってもコリン・ファースの演技が素晴らしい。喋り方や息遣い、目線に至るまで吃音の症状を見事に演じている。おそらく僕が人生で初めてコリン・ファースに触れた作品は本作だったので「キングスマン」を劇場で観た時には驚いたものである。

「レ・ミゼラブル」や「リリーのすべて」でも描かれるトム・フーパーの少しざらざらとした映像が凄く好き。あのざらざら感がこの時代のイギリスには合うんだよな〜 「キャッツ」でこの質感がなくなってしまったのは残念だが、また新作ではこの質感を復活させてほしい。
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