そらになるらむ

エデンの東のそらになるらむのレビュー・感想・評価

エデンの東(1954年製作の映画)
4.0
「そのとおりだ。昔から僕は悪いやつだったよ」

いつも少し肩をすぼめて、下から睨め上げるような眼差しのジェームス・ディーン。

父子の歪んだ愛情、兄弟の対抗意識、善と悪・罪と赦し、若さゆえの反抗、そして揺れる女ごころ…

いるんなテーマが折り重なっていて、実は立場によってはずいぶん取り散らかってしまいそうな、危うさのあるストーリーだと思うんです。
例えば、父の視点、兄の視点、兄の恋人の視点で描くと、これはどんな話になるのだろうか。

でも、誰もがジェームス・ディーンの魅力に引き込まれて、気づけばみんなキャルの立場。一緒に怒り、同情し、応援している自分がいる。それくらい光り輝いています。圧倒的な存在感。
父へのプレゼントの場面、私も悔しくて悔しくて、大声で叫び出したくなりました。

60年以上前の仕事ですが、名画は全く色褪せない。魔法のような映画です。観るべし。

「僕を不良だと思う?」