デジャブ

数に溺れてのデジャブのレビュー・感想・評価

数に溺れて(1988年製作の映画)
4.0
ピーター・グリーナウェイは禁忌を映し続けているのに、その狂気を狂気と思わせない意味不明な空気感がある。かといって陶酔するような退廃美とかでもない。
私たちが普段、食事をしてお風呂に入って服を着替えて寝るように、ただそこに当たり前の死と裸体と屍があるだけ。
次はどんな殺され方で葬式後のゲームはどんなルールなのか、お約束の死を楽しみにしてしまっている自分はもう、社会に戻ってはいけない感性を植え付けられてしまったのかも知れない。

とりあえず男どもは溺死しないよう、この映画を観て伴侶の殺意を学ぶべき。