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心中天網島のmoonのレビュー・感想・評価

心中天網島(1969年製作の映画)
3.8
人形浄瑠璃の映画化ということからか、黒子まみれで舞台美術のような装置。なにより一人二役を演じる岩下志麻の存在感がすごい。(解説読まなければ気付かなかった

妻子ありながら女郎に入れ込む治兵衛がとにかくクソofクソという感じで逆に清々しいのだが、そんな亭主を救うために奥さんから女郎に文が渡っていたという事実。女同士の義理を立てるために奥さんが逆に身請けを斡旋する姿が今の感覚とはかけ離れていて面白かった。
誰も救われない悲劇のラストが治兵衛にとっては自業自得すぎて共感はなにもないけど、映像の魅せ方が実験的で良かった
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