「カッコーの巣の上で」よろしく、世間的な「普通」から逸脱した人達への世の中の辛辣さとの戦いではあるけど、こちらは患者達が自分自身とも向き合っていく要素が強かった。
個人的には、主人公が自分のマイノリティ寄りの感覚を自覚して嫌悪を感じつつも、ただ反抗して逃避する訳でもなく環境に安住する訳でもなく、それを弱点として認めて世の中の生き辛さと向き合っていくのが良かった。
アンジー演じるリサとの出来事がその向き合う決断をさせるきっかけになっているのも、見ようによっては踏み台にしてるようで残酷に感じるけれど、人が前に進むきっかけって他人の「こうならないように生きよう」っていう反面教師であったりすると思う。
スザンナやリサみたいな、世間で立っているボーダーが曖昧な人達って現実でも大勢いると思うけど、それを異常とするかどうかは、その人にマジョリティの中で生きていくことへの覚悟があるかどうかなのかもしれない。
ウィノナライダーの最初と最後の表情の違いを観てそんなことを思わせられる。