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グラン・トリノのPのネタバレレビュー・内容・結末

グラン・トリノ(2008年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ちょっと久しぶりに映画見たが、面白い映画だった。終盤のタオやスーが暴力を受けるシーンはしんどかったが、全体的にはほっこりニコニコ観てた。黄色人種である自分がアメリカに引っ越してきて最初に観た映画、全然内容知らずに適当に選んだ映画が、偶然にもこんな内容だったというのが、なんだかちょっとグッと来た。
親子関係、戦争の記憶と悔恨、人種と文化、身内との関係性、終活、など色々な要素を含んでいて、あれこれ考えている内にあっという間に2時間経ってしまった。しかしながら一番衝撃を受けたのは(全然メインテーマではないが)、めちゃめちゃ普通~っぽい家の軒先で、半グレのケンカやら銃撃やら何やらが起きるという描写。昨日、トレーダージョーズ(スーパー)行く途中であんな感じの住宅の前通ったんだけど、えっ、あんなところであんなことが起こり得るの?!?!とビビってしまった。。アメリカおそるべし。
息子夫婦は主人公のこと疎んじてたけど、孫達の葬式での態度は大概ひどかったし(とりわけ孫娘は「爺さんが死んだら車くれ」みたいなことを面と向かって言っていて、いくらなんでも酷過ぎる)、息子夫婦も誕生日に突然訪ねてきて思ったらセールスマン並みの(実際息子はセールスマンだが)マシンガントークで老人ホーム入りを勧めたりしていたので、主人公を悪とは思えなかった。ただ、主人公が病院で診察を受けて、ショックを受けて息子に電話して、でも息子は忙しいからって電話切って、だけどその後「なんかおかしいぞ...?」って感じるシーン、息子は息子、息子夫婦と親父は仲悪いけどでもやっぱり息子だけは実の息子、みたいなのが良かった。最後グラントリノの相続のときも、嫁と孫娘は薄情だったけど、息子はどう感じてたのかな。
神父は何のメタファーだったのかば。存命ならば奥さんが言うべきことを代弁してたのかな。
2009年に公開された(それ以前に制作された)映画だという点興味深い。監督が、今のアメリカ社会をどんな風に感じているのか聞いてみたい。
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