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ラ・ボエームのすずすのネタバレレビュー・内容・結末

ラ・ボエーム(1926年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

このあと何度も映画化される『ラ・ボエーム』の初の映画化。主演はリリアン・ギッシュ。監督は天才キング・ヴィダー、彼が30代半ばのサイレント映画。

アンリ・ミュルジェールの小説『ボヘミアン生活の情景』の映画化で、人気オペラ『ラ・ボエーム』の原作として知られています。

パリのカルチェラタンのロフトで暮らす貧しいボヘミアンの作家、画家、音楽家、哲学者らとその恋人達の生活情景を描いています。

薄幸感の強いリリアン・ギッシュに相応しい映画だと思います。

以下は物語。

パリの街。貧乏アパートの最上階が舞台。
劇作家ロドルフ、画家、作曲家ショナール、^_^芸人の卵の男四人の共同生活。月初で大家が家賃の催促。金を稼ぎに出かける男たち。
隣の部屋に住むお針子ミミも、今夜払わないと追い出される。お針子は質屋でコートなどの衣類を売って金をつくるが足りない。帰り道、貴族ポールが通りで、ミミを見染める。
男たちの同居部屋では、猿が金を作れて、無事四人分を支払う。飯の金がなく、女たらしが女性におねだり。
劇作家はお針子が気になっている。夜逃げをしようとしたミミを、彼等のディナーに誘う。
ミミの部屋に貴族ポールが訪ねてきて、仕事を依頼します。
イースターの祝祭。
ルノワール絵画を思わせるピクニック風景。ダンスとキス。2人は恋に落ちる。ミミはルドルフの記事が売れたと嘘を言い、徹夜で働き彼を支える。貴族が訪ねてきて、ミミに劇場主に芝居を見せるアレンジを申し出てくる。ミミはポールに演じてみせる。ロドルフがその様子を見て、喧嘩になる。ロドルフは家に戻らないが、ミミは台本を小家主に見せに行く。帰宅すると、ルドルフがミミをなじる。制作中の衣装を破り捨てるルドルフ。ミミは血を吐き倒れる。彼が医師を連れ戻ると、ミミは置き手紙には「成功するまで戻らない」の決意。
彼の舞台が大成功をおさめる。舞台挨拶し、パーティーで盛り上がるルドルフだが、ミミが頭をよぎる。
一方、ミミは紡績工場での過酷な肉体労働の末、倒れ、運ばれる。医者は今夜がヤマと云う。しかし、思い出のアパートへ向かうミミは、通りで行き倒れるが、大家に救われる。再会を果たす2人。友人たちに囲まれ、ミミは息を引き取るのでした------

この時代のサイレント映画に多い、安アパートのセットを軸に展開する恋愛映画。あまりによくありがちで、驚きが無さすぎなのが欠点。

リリアン・ギッシュは上目使いが多く、媚びた感じで嫌いな女優です。しかし、陰鬱でオドオドしている芝居は、ここでは敵役です。
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