元歌手と彼女と腐れ縁のタレントの一代記としても面白かったし、彼らの芸能生活とアメリカの変遷を重ねる演出もなかなか味わい深かった。何よりベット・ミドラーとジェームズ・カーンの軽妙さと毒舌が入り交じった森繁久彌&淡島千景にも負けない息の合った掛け合いが笑えて最後まで楽しく見られた。
一見すると不遜でふてぶてしいし女性関係にはひどい奴けれど、実は心優しいタレントを演じるジェームズ・カーンの演技も心に残る。
冒頭芸能界を引退した老いたミドラーにイベントへの参加を交渉しに来た青年が凄いいい奴、ミドラーと別れる時にする仕草に彼の優しさが出ていてグッと来る。
「キスさせて」「死ぬわよ！」、「ヒトラーの親戚？」「日本には放射能しかない」など現在ならコンプライアンス的にアウトな発言がポンポン飛び出すのも聞き所。
