愛人と賞金首の生首との珍道中映画もそう多くはあるまい。
もうタイトルから滲み出るカッコ良さに観る前から惚れ惚れ、観た後ももっと惚れ惚れというパッケージングからして既に魅力ある一本となっている辺りにこの時代の映画のセンスに憧れを抱く。
失うものが他にない男がやる時はやるを貫き闘うという、そんなワケで『ワイルドバンチ』から一貫してペキンパーの映画の根底にある、覚悟を決めた男の曲がりに曲がった復讐譚の真骨頂が観られるのが見どころ。
やや回りくどく、タイトさには欠けるが、ペキンパー独特のバイオレンス映画としてはやはり変わらず暴力描写は老若男女問わず容赦の無さが恐ろしくて思わず逆に笑ってしまう。ペキンパーの現代劇としてはこれが初の裏社会モノなのかな、そう考えると彼が描いたギャング映画も観てみたかった。
ジョン・ウーや深作欣二と並んで男を色気ムンムンに味わえ尽くせる一本。