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時をかける少女のstneのレビュー・感想・評価

時をかける少女(2006年製作の映画)
4.5

鑑賞した時代によって、その映画がくれる影響ががらりと変わる作品がある。

高校一年生の夏。
クーラーが効かない蒸し暑い部屋でその日、僕たちは男三人で、本作を見た。
どうも、女の子たちが見てる面白い映画があるらしい。そんないわば不純な動機で見始めた気がする。
今ほどSNSもクチコミも盛り上がってない時代である。

外にはテレビからの音量に負けないくらい蝉が鳴いてた。
けれど、そんな音が聞こえなくなるくらい強く惹き付けられる。
大した人生経験もない三人の高校生はそのとき、名状しがたい感動を共有していた。

戻らない大切な時間があること。

青春という言葉はある程度歳を重ねたあと、事後的に実感できるものである。
だけど、あの時の夏の空間には確かに何か感じるものがあった。青春としか言い表せない何かが。


あれから時は経って、自分も程よく歳をとった。
今、初めてこの映画を見たとしても、そこまで心に響くものになった可能性は低いかもしれないけれど、あの空間のあの時感じた何かが、自分の心に残る作品にしてくれた。

今でも奥華子の曲を聴くと、何となく切ない気持ちが甦って来る。