ぴょん吉

リトル・ダンサーのぴょん吉のレビュー・感想・評価

リトル・ダンサー(2000年製作の映画)
4.5
観終わった後の余韻が心地よい。時代を超えて名作の部類に入ると思います。母が亡くなったこと、父と兄が閉鎖寸前の炭鉱で生活をかけて働くということ、呆けかけた祖母の面倒をみるということ、押しつぶされそうな心のうちをどこにもぶつけられないまだ11才の少年が出会った「踊る」という事。自分でも「分からない」踊りたいというエネルギーに突き動かされるビリーがとても愛おしい。かなりおませなデビーとセックスの話をしたり、何度も読んで覚えてしまった18才の自分に宛てた母からの手紙を先生に見せたり、合格の手紙を喜びと不安でかみしめたり、とにかく笑ったりホロリとさせたり無駄のないシーンが満載。そして何よりビリーの父親の愛情が素晴らしい。成長したビリーの背中を見た瞬間、客席の父と同様誇らしい感動で鳥肌がたった。