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ハズバンズのmasatのレビュー・感想・評価

ハズバンズ(1970年製作の映画)
3.5
親友4人のうち、一人が突然死んだ。
それを機に、いずれ一人になると感じた男たちのメソメソと、女々しい話が始まった。

男が女々しくなる時の真実を映し撮ると、ホント、酷いもんだ。同時に、弱い、とされてきた女性の、なんと強い事か、それを実感する。

男なんて、チンカス、でしか無い、と延々と映し撮る。
そんな男たちが突然ロンドンへ行って、3人の女性をナンパし、それぞれの部屋で巻き起こす顛末が、なんか異様でした。
雨の中の大女。大雨に打たれる中国女のアップ・・・コイツら男どもはそこに何を見たのだろうか?

「家に帰る、終わりだ!」と2人は言い、1人は残る。
帰った1人を待ち受けていたのは、泣き顔で出迎える幼児と「母ちゃんが激怒りだぜ!」と叫ぶ少年。
ああ、また何も変わらない日々が始まるのだ。いや、それが“しあわせ”と言うものなのか?

最高の“バイプレイヤー”(敢えてここではそう表現する)3人の熱演は、一度は観なくてはならない“塊”だった。
そんな3人も、その中心にいたであろう男が早々と他界してしまった。
残った2人は、変わらない日常の中で、何かが変わったのだろうか?

70年、『真夜中のカーボーイ』『明日に向かって撃て!』が生まれた翌年、『ある愛の詩』『大空港』が空前の大ヒットを遂げ、『パットン大戦車軍団』がアカデミーを制した年。
カサヴェテスが見つめていた小さな他愛もない生活の一コマは、時を経る度に、神々しい輝きを増すのはなぜだろうか?
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