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血と砂のtaroumanのレビュー・感想・評価

血と砂(1965年製作の映画)
3.0
ラピュタ阿佐ヶ谷 岡本喜八祭り

銃すら握ったことがない少年軍楽隊に敵の砦を攻略させるという相変わらずの発想に脱帽なわけだが、お得意の音楽ネタもふんだんで、ジャズのリズムとシンクロするリズミカルなカットは喜八翁の独壇場。
主役は一見三船のようだが、本当の主役は少年軍楽隊と見るべきか。
音楽に対するピュアな気持ちは、楽器を銃に持ち替えてお国のために働くことに何の疑いも持たない。
雨に打たれる楽器の悲しさ、夕焼小焼の哀調、爆撃のなかの聖者の行進。
軽快に進むテンポのなかでギラッと見える戦争への蔑みや憎悪は無責任な軽口を許さない。
持ってみるとみっしり中身が詰まった考えさせられる一作。
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