tarouman

アメイジング・グレイス アレサ・フランクリンのtaroumanのレビュー・感想・評価

4.5
ル・シネマ

レディソウル=至宝アレサフランクリンの絶対的名盤、アメイジンググレイスが映像化。自粛期間中はBS土曜は寅さんの全作視聴でお茶を濁してきたが、そんなことを言ってる場合ではない。こっちの視聴が緊急事態である。

冒頭、聖歌隊が歌いながら入場するところから変調を感じていたが、クリーヴランド師がアレサを紹介、ピアノの前に座り「最初の曲はマーヴィンゲイのホーリーホーリー」で歌いだした途端だ。自分でも何が何だかわからない。涙腺崩壊、鼻水洪水、マスクの下は床上浸水。制御不能なのだ。このままじゃヤバい。最後まで泣きっぱなしだったらどうしようかと思ったが、流石に徐々に落ち着きおっさんの不感症に救われたところだが、その後も、制御できないシーンばかり。特にキャロルキングの僕の友達のゴスペルバージョンはまいった。あれはただでさえサビのパートを大合唱されるとウルウルくるが、聖歌隊でコールレスポンスは反則だろう。とにかく人の声に感動するのだ。というか勝手に涙があふれるのだ。ダウンタウンの浜田なら「なんなん」とつっこむところだ。

などという極めて個人的な感想はどうでもいいのであるが、古からの讃美歌はベートーヴェンのミサソレムニスやバッハのマタイ受難曲などで頂点を極め、これがアメリカに行くとゴスペルになる、というのは文化人類学的には面白いテーマであるが、そんなこと答えられるはずもなく、ただゴスペルも神に捧げるわけで、聖歌隊は神に遣わされたともいえ、しかしアレサの場合、彼女自身が神そのものなのである。

と何を言ってるかよく分からくなってきたが、マイフェイバリットのブルースブラザーズは、教会でベルーシが、JB師のYou see the light ?というゴスペルに啓示を受けてバンドを結成するのだが、このアレサもある意味神秘的体験であり悟りを得る人もいるかもしれん。

世に歌の上手い人はたーくさんおって、YouTubeなどでも感嘆することが多いのだが、いやそういうレベルではないのだ。神だとか教会だとか気にすることは全くない。とにかくこの圧倒的な「声」「うた」に浸ってほしい。どうぞよろしくお願いいたします。

そういえばバックバンドもバカテク面子だったな。ドラムのパーディーも流石にいつものお茶目なうなり声も出さず神妙な顔で叩いてました。
tarouman

tarouman