キクラゲ

血と砂のキクラゲのネタバレレビュー・内容・結末

血と砂(1965年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

聖者の行進とともにコミカルに映画は始まり、最後には全ての音が果てて映画が終わる。絆が芽生えていたはずの捕虜を撃ち殺し、そのタイミングで観客はこれが終戦間際の出来事であり、彼らの命をかけた作戦は無駄であったことを知る。「みんな死んじまったよ。なんで死んじまったんだろうねぇ…」

コミカルな描写を組み込むことで逆に戦争の悲惨さを徹底的に浮き彫りにする戦争映画の大大大傑作です。なんとなく『独立愚連隊』や『日本のいちばん長い日』とかの影に隠れてあまり語られてない気がしてもったいないと思います(単に俺がそう思ってるだけかも知れません)。あらゆる善意が結果として悲劇をもたらし、彼らの音楽に感動して拍手をした人々も彼らを置き去りにし、一人だけ残る決意をした仲代達矢も結局間に合わない。ホントに恐ろしい映画です。とにかく始めて見たときの衝撃は凄まじく、オールタイムベストの一本です。いつか劇場で見てみたいですが、大音量大画面で見たら死んじゃうかも…
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