フワッティー

ウンベルトDのフワッティーのレビュー・感想・評価

ウンベルトD(1952年製作の映画)
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老人の孤独と貧困、そして紳士としてのプライド(施しを受けることは恥で、大家に頭を下げるのは敗北である)。心を通わせるのは下宿先の使用人の娘と飼い犬だけ。家賃が払えず娘と別れ、最後には犬との信頼関係も崩れる。

その後、愛犬と仲直りし再び歩き出すも、根本的な解決が済んでおらず、再出発するその背中を無邪気な子供たちが覆い隠す。余裕のない者はどこまでも落ちていくばかりだ。

ヴィットリオ・デ・シーカ監督によるネオリアリスモ映画。『自転車泥棒』と同じ世界で起こっていることが思い出される、非常に似通った作品だ。
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