ウンベルトDの作品情報・感想・評価

「ウンベルトD」に投稿された感想・評価

第二次世界大戦前のローマが舞台です。当時のイタリアは軍事費の増大などで、国民の生活は逼迫して、特に社会的弱者の老人には厳しかったみたいですね。年金の支給もごく僅かで、家賃の工面に四苦八苦する老人ウンベルトの悲哀を描いたネオレアリズム作品です。戦争が陰を落とす時代ですので、社会や人は弱者にどうしても冷たくなります。しかし暗闇の中にも、大家の使用人マリアや愛犬が与える光もありました。「自転車泥棒」と同じく、辛い時代の庶民を描いた名作です☆ちなみに、私は「イタリア映画三大巨匠名作集」を購入して観ました。値頃なDVDボックスですから買いやすいですよ(^-^)本作は、以前は日本語字幕のメディアがなく、観る機会は少なかったと聞いてます。
otom

otomの感想・評価

4.2
自転車泥棒然り、ヴィットリオ•デ•シーカの描く被害者とその言い分はは何というか身勝手さ感じる。ものの、己のプライドに苦悩しつつ、ワンコに乞食させるシーン等々、なかなかグッとくるところも多かった。これは他人事じゃないぞぉ。良作。
家族の肖像から生きる、第3の男にも通じる構図や場面が散見した
Shuto

Shutoの感想・評価

4.5
世の犬好きよ!これは鑑賞しないと…犬だけに、ワンダフルな映画です。
Jeffrey

Jeffreyの感想・評価

5.0
ずっと観たかった1952年ヴィットーリオ・デ・シーカ監督によるイタリアネオレアリズモの傑作と評価が高い「ウンベルトD」のBD遂に購入した。今も未レンタルで中々お目にかかれなかった本作はタイム誌のオールタイム100にも選ばられ、ベルイマンが気に入った作品の一つとしても有名だ…漸く鑑賞できる。
真っ当に職を務め年金で生活をしようとも生きては行けず金=相対的貧困が如何に人を苦しめプライドをズタボロにするかを四面楚歌の中で描いたデシーカの最高傑作だと思う。家賃を払えずに家主から追い出される1人の老人をここまで強く描いた作品は他に無く本当に素晴らしくお勧めです。結局一緒に住んでいる犬が唯一の生き甲斐だったんだなぁラストが本当に感動的だった。ロベールブレッソン監督の少女ムシェットも本作と非常に似ている点がある!頼る人ががいなく四面楚歌の中を生きてる少女を映す。本作と違ってラストは悲しいが…
家賃もう払えない老人と犬の話・・・これも上手に撮られたし映像が素敵だ・・・でも苦悩ばかりで辛すぎてあまり楽しくはない。希望のない話だ。まぁこういう映画もあるね・・・
本日11月13日は1974年に没したネオレアリズモの巨匠ヴィットリオ・デ・シーカ監督の命日。

敗戦後のイタリア社会で生きる過酷さを描いた"ネオレアリズモ"はたちまち民衆の心を捉え、
そのムーヴメントは世界中へと知れ渡りました。

中でもその旗手となったデ・シーカは46年「靴みがき」で戦後混乱期の社会に苦しめられる子供を描き、
48年「自転車泥棒」で戦後の不況で窮地に立たされる失業の父親を描き、
そして51年の本作「ウンベルトD」では戦後数年のインフレによって困窮してゆく老人を描き、
デ・シーカと脚本家チェザーレ・ヴァザッティーニはここにイタリア三世代に渡るネオレアリズモの傑作群を完成させたのです。

主人公ウンベルト・ドメニコ・フェラーリは年金暮らしの元公務員であり、愛犬フライク
と共に高慢な家主の部屋を間借りしている独居老人。

戦後の復興によって社会は徐々に豊かさを取り戻している反面、その皺寄せであるインフレは貧富の差を一層拡大させ、
人々の心はなおも貧しいまま。
ここには人情の欠片すらも見当たらず、彼に理解を示すのは愛犬とメイド娘のマリアだけなのでした。

増えぬ年金と家賃の値上げで金策に奔走するものの定年した老いぼれに手立てなどあるはずも無く、とうとう途方に暮れた彼はある行動に出ます。

ラストはもちろん、自身のプライドに葛藤するウンベルトやフライクを必死に探すウンベルト、芸をする利口なフライクの愛らしさなど、胸を打つシーンは数知れず。

またメイドのマリアでさえも実際明日は我が身の立場であり、
本作の持つリアリズムはより現代社会に通ずる普遍性を十二分に携えているのです。
非常にぎりぎりのラインにある映画だと思う。
いぬを映すとなると、カメラをヒくか、低めに構えるかが基本となるだろう。しかし下からの構図(もしくはいぬの目線)というのは、濫用すると明らかな不和をもたらす。しばしば人間を映す際もそういった構図だったが、これを等しさへの歩み寄りと考えるか、甘さと捉えるか。
いぬと再会するシーンのカメラは、完全にストーリーに従うものでよくなかった。
あとは帽子をくわえさせて物乞いの真似事をやらせるところ……。かなり衝撃だった……。

本当におとなしいが、動くときは動く、素晴らしいいぬでした。
基本首輪をつけての撮影。ここはどうしようもないとこだが、『霧の波止場』のいぬがすごすぎたというとこか。
なす術もなく立ちすくむとはこういう事 デ・シーカ「ウンベルトD」

デ・シーカにとって「描く」ではなく「描かずにいられなかった」作品です。
それゆえに時代と国籍を越えて2017年の我々にも肉迫してきます。
観た者は「遠い昔の貧しい時代の話」とのんびりしたことは言うまい。
為すすべもなく立ちすくむ有様

リアリズム大嫌いのワタシですがリアリズムの極致に打ちのめされました。

今までクロサワやキューブリックの「完璧主義」を「リアリズム」と混同していればひとり秘かに恥じるべし。
かくいうワタシもその一人であります。
shibamike

shibamikeの感想・評価

3.5

このレビューはネタバレを含みます

保健所における犬の殺処分に関して、結構詳しく映しており、印象的だった。
必死に吠える犬達に胸を締め付けられたが年金暮らしでカツカツの老人たちを重ねるべきなのだろうか。
公務員も老人も誰でも所詮、迷子になって一文無しになったら、国から死ねと告げられ、見殺しか。

女中マリア嬢が最初、鳥を料理するために、両足掴んで逆さにして羽根をむしり取ったり、新聞紙に火をつけて壁の蟻を一掃したりと、昔の少女はたくましいなあ!と目を丸くせずにはいられなかった。が、そこは花も恥じらう乙女。夜中にはホロリと涙を流すことも。どっちが父親かわかんないなんてやっぱりマズイ!

この映画、とにかく主人公の愛犬フライクが超絶可愛い。まぁー、お利口!
主人公が溺愛するのもうなずける。
ラスト、引き取り手の見つからないフライクを腕に抱き、冥土の道連れにしようと鉄道で立ち尽くす主人公。
近づく列車の轟音に危険を感じたフライクがキャイーン!と叫び、主人公の腕から逃げ出すのだが、叫んでいるときのフライクの顔が本当に恐怖の顔つきで圧倒された。
松ぼっくりでフライクと戯れるパッと見た感じ、朗らかなシーンで映画は幕を閉じるが、90分顛末に付き合った我々観客にはこの老人は今後も不幸、絶望が続くとしか思えない。エグい監督だ!
公園で無邪気にしている人がいても、訳ありなのかも!
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