しげる

ウンベルトDのしげるのレビュー・感想・評価

ウンベルトD(1952年製作の映画)
4.0
家賃が払えない、ただそれだけの話なのに何故か面白い。
主人公ウンベルトと不思議な絆で結ばれている、下働きの少女の佇まいが良い。
彼女も彼女で事情を抱えているのだが、その憂いの奥には、やはり若さと無垢さが光っている。一種の清涼剤である。
にしても、ウンベルトに親族はいないのだろうか。
下働きの少女と飼い犬だけが、彼の孤独を埋めているようである。
実はウンベルトに関しては、元公務員という情報以外まったく与えられていない。
それでありながら、彼の一挙一動に手に汗握って注目してしまうのは、映像の持つリアリティが素晴らしいからだ。
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