イチロヲ

女教師 甘い生活のイチロヲのレビュー・感想・評価

女教師 甘い生活(1973年製作の映画)
4.0
スパルタ教育を方針にしている女教師(市川亜矢子)が、周囲の人々の性生活に触れながら、性的抑圧からの開放を掴み取っていく。頑固一徹な女教師が「女」を表出させるまでを描いている、日活ロマンポルノ。

田中登監督「女教師 私生活」が同主演・同脚本家で先行しているが、本作もまた「女教師もの」の源流となる作品。学校教諭の背徳的な性と、生徒たちの奔放な性を対比させながら、女教師の性の目覚めを描いていく。

大人中心のドラマは、優雅なファッション・ポルノ風。生徒中心のドラマは、フォーク歌謡やアングラ劇を絡めた青春群像劇風。視点の変更に合わせて、演出の毛色がコロコロと変わるところが面白い。

隣人女性(中島葵)とのレズ要素の必要性に戸惑いを感じるが、ここでのネコとタチを考慮すると、ドラマに深みが増す。「女らしさ」で自分を着飾ることができない女性の、心の機微が鮮やかに表現されている良作。
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