マリリン・モンローの生涯を基にした小説を日本に置き換えて映画化、ってことで結婚相手やその顛末、最期の迎え方など、実際のエピソードをなぞって描かれているらしいです。
…これほとんど「若尾文子の魅力」くらいしか見るとこないな。もちろん「若尾文子の魅力」があればそれで充分やんけって言われればそうなんですけど、それだけにとどまらない作品なんてたくさんあるし…。
主人公はその美貌ゆえ色んな男と出会い、その影響を過分に受けながら流されていくのですが、出会う男がどんどんつまんねーやつになってくので、話自体のテンションも徐々に右下がりに。上澄みだけすくった『西鶴一代女』。
一番気になるのは、視点がネガティブ一辺倒なこと。凝り固まったジェンダー観にしても(主人公の職業が女優って制約はあるにせよ)単純に時代背景って事だけでもない気がします。内面とのギャップとしての空虚な絢爛さ、みたいなものすら見せてくれなくて、ずっと卑屈というか厭味というか、こんなひねくれた話いったい誰が……脚本・橋田壽賀子!少しは楽しい話聞かせてくれ。