安不二大气

春夏秋冬そして春の安不二大气のレビュー・感想・評価

春夏秋冬そして春(2003年製作の映画)
4.5
あまりに美しい...これセットなの凄すぎる。

冒頭和尚に「蛇に気をつけなさい」と言われたにもかかわらず、彼が殺してしまった蛇は、仏教の三毒「貪瞋痴」の瞋にあたる怒りの象徴 そしてそのあと彼は怒りに振り回されることになる。
(ちなみに貪は鶏で貪欲の象徴だが、やはり夏の部分で多く登場する)

仏教観を表す五趣生死輪図にも「貪瞋痴」は十二因縁の中心に据えられて、輪廻を駆動させる原因として描かれる。『春夏秋冬そして春』はタイトルからして輪廻しているわけだが、やはりそれがまた繰り返されることの示唆として終わる…。

『弓』もすごく好きだが、こちらの方が具体性もあって、キムギドクの明確な意思を感じることができる点でこっちの方が好きかも。