ないよりまし

月に囚われた男のないよりましのレビュー・感想・評価

月に囚われた男(2009年製作の映画)
3.5
あと2週間で地球に帰れるー 。
月の裏側で採掘作業の管理を任されているサムは、3年間の契約期間が終えて、愛する妻と生まれたばかりの娘がいる地球へと戻れることを待ち望んで仕事に励んでいる。あと2週間。孤独な月の基地では、お喋り相手はロボットだけだ。人肌が恋しくて、夢の中で妻に会い、幻覚も見えるほどだった。しかし、事態は急変。作業中に車両事故を起こしてしまう。目覚めるとそこはいつもの変わらぬ基地。ただ違和感が残る。一体自分に何が起きているんだ?

孤独という意味で、監督ダンカン・ジョーンズの父親デビット・ボウイもまた、虚飾に満ちたグラムロックを牽引する中で、ジギーという孤独な宇宙人を演じきり、最後には自分自身の分身ジギーを葬った。この映画もまた、葬る選択に迫られる。殆ど孤独といえる状況の中、月に囚われ続けた男はどういった答えを出すのか、必見。
ないよりまし

ないよりまし