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解夏のmakirakiraのレビュー・感想・評価

解夏(2003年製作の映画)
3.8
「解夏」の意味も何も知らずに、石田ゆり子さんが好きなので本当になんとなく観てみたのだけど、これは呼ばれたのかな。

最近思うところあり、仏教や禅について学びたくて本を読みはじめたところだったので。

長崎の景観や、木々の音色、蝉の鳴き声、叙情的で美しかった…。私の大好きな夏の匂いのする映画♪


徐々に視力を奪われてゆく青年、それを懸命に支えようとする献身的な恋人、そっと見守る母…

とても切なく、やるせない思いが押し寄せる、静かだけど心に刺さる作品でした。

見えなくなるという恐怖の行(ぎょう)を経て、見えなくなった瞬間に恐怖は消える、とお寺の老人は語る…。

その日が青年にとっての解夏である、と。

誰にとっても恐怖と思うものはあるわけで。その恐怖には終わりがくるのかしら?
なにをもって終わりとすればよいかしら?その答えを導くヒントがありそうな気がしました。

このお寺のシーン、室内の暗さと外の明るさ、緑の濃さのコントラストが非常に美しかった!
聖福寺という所らしいです。行ってみたいなぁ。
長崎かぁ…
遠いなぁ…。

目が見えなくなるとしたら、いちばん最後に見たいものは何ですか?

この青年が最後に見たいと思ったものは?

ラストシーンからの、さだまさしの「たいせつなひと」歌声にポロリと涙が零れました。
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