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浮草のガクのレビュー・感想・評価

浮草(1959年製作の映画)
3.8
若尾文子と川口浩のキスシーンの直後、電球の近くで紙吹雪が五片舞う。京マチ子が全てを聞いていて、してやったりの紙吹雪なのか、すごい演出やなあ。そもそも若尾文子が川口浩を誘う方法も、これで惑わされない男はいないという凄い方法やった。ペンでは書けないから鉛筆くれと頼んで、舌で筆先を少し舐めて、角で待ってるからちょっと出てきてと紙に書いて誘って、その晩会う約束だけしてすぐに消えてしまう。少々下品な所もあるが、近年の映画に比べたら随分と粋なこと。中村鴈治郎の狸親父っぷりも相変わらず似合ってて、ちょっとしばきたくなる。笑

あんまり小津っぽく無い作品だなと感じたのは、松竹ではなく大映の作品なので当たり前の事なのだろうか?
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