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落下の解剖学のガクのネタバレレビュー・内容・結末

落下の解剖学(2023年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

出来事の渦中にいた3人のうち1人は死亡しているから死人に口なし。1人は小説家だから偽証仕切る能力ありそう。1人は11歳という幼さで目も見えないから本人自体も自分の感覚を怪しんでいるレベル。って事で、あらゆる事が起こる可能性がある設定がすごい。

でも人間の認知って実はこれくらいフワッとしていて、自分が信じたいものや何も考えず気づかずに信じているものに囲まれているに過ぎないのかも知れない。夫婦や親子のように関係が深くても、見てる世界は全く異なっているって事はあり得るよなあ。

五分五分の夫婦の口論や、少年の視力のレベルや、信じてもいるし怪しんでいもいる母親への態度などなど全てが曖昧で平行線なので、どちらにも陥ってない。裁判でもほぼ五分五分。それってストーリーを完全にコントロール出来るからこそ操れるバランスだと思う。映画にオチを付ける意味で裁判は勝訴にしたが、本当はそこも曖昧にしたかったんじゃないだろうかというレベル笑

正直前半の何箇所か寝てしまいました。寝不足だったし会話劇だったし。画的には地味だけどその裏で進行しているプロットの統制が半端ない、しっかり味わえる系の良い作品だったなと思う。
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