NaoMaru

最強のふたりのNaoMaruのレビュー・感想・評価

最強のふたり(2011年製作の映画)
4.3
エリック・トレダノ監督
オリヴィエ・ナカシュ監督

重度障碍者の富豪白人フィリップと、介護人の黒人青年ドリスを巡る物語。観賞後は人生における生きづらさが解けていくような開放感を覚えた。オープニング曲の「セプテンバー」は最高にノリが良く、出だしから盛り上げた。

物語はドリスが介護の困惑から始まるものの周囲を笑いの渦に巻き込んでいく。フィリップが無理だと諦めていたパラグライダーも挑戦させて、車椅子生活でも断然笑える日が増えた。ふたりの幸せな日々はいつまでも続かなかった。ドリスの身の上を聞き「これは君の一生の仕事じゃない」とフィリップ。ドリスは考えた末、家族の元へ帰る。悲しい別れでないはずなのに…。新しい介護人とフィリップとの関係は上手くいかず、彼は段々元気をなくしていく。

ドリスは再びフィリップの元へ訪れ、気晴らしのドライブへ出掛ける。夜中じゅう車を飛ばして海の近くにある別荘へ到着。翌朝、ドリスはフィリップの無精髭を剃り上げる。彼の表情は明るく生まれ変わった。いつしか雇用関係や人種の壁を超えて、堅い友情が結ばれていた。こころとこころの結び付きがいかに大切なものか、ユーモアがいかに元気づけてくれるかを教えてくれた。信頼関係は時間と空間の共有だけでなく、その人に会えばいつも元気をもらえる、単純なところにあるのかもしれない。
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