magic227

最強のふたりのmagic227のネタバレレビュー・内容・結末

最強のふたり(2011年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

泣かせようと思えばいくらでも泣かせられるのに、さらっと軽く描いた所が監督のセンス。不穏な空気で始まるオープニングも秀逸で、一瞬、劇場間違えたかと思ってしまった。 さて、半身不随の大富豪フィリップと、その介護役に雇われた貧民街に住む黒人青年のドリスが主人公。ところがこのドリス、下の世話に顔をしかめるくらいはまだましな方で、フィリップの下半身が麻痺しているのを良いこと、足に熱湯をかけてみたりする。 そして普通なら眉をしかめるべきそれらの場面が、映画が進むにつれて不思議に暖かく見えてくるのだ。 そこにいるのは障害者と介護者ではなく、どちらも同じ人間同志。だから二人が娼婦(!)を呼ぶくだりは本当に優しい素敵な場面になっている。 障害者の苦悩も、介護者の苦労も、直接的には描かれないけれど二人にだってもちろんあるはず。だけど二人は強い絆で、それを乗り越えているのだろう。そう感じさせてくれる事がこの映画の本当の魅力なのかもしれない。
magic227

magic227