みずちゃ先生

最強のふたりのみずちゃ先生のレビュー・感想・評価

最強のふたり(2011年製作の映画)
4.2
良作という条件の整った”いい”映画だと思う。

ドリスの人柄とその俳優のオマール・シーの演技が大変好評だと話題に。
この映画のすべてがドリスの振る舞いによってできており、それに返答する本来障がい者として扱われるフィリップの人格の良さが気分いい。ドリスは常にフィリップと対等だし、対等になろうと思って対等になるわけじゃない、あくまで自然体なのが魅力。
馬鹿すぎるし空気は読まないし下品だし思ったことは口に出してしまうけど、それをユーモアに変えられるフィリップとの相性は最強のふたりというべき間柄だろう。

「芸術」を通して本作品はストーリーを展開させていく。
ひいては現実世界の各種の創作に「芸術」の道は通じているとしばしば考える。芸術なんて大層な言葉を使わずとも、あらゆる創作が、自分が人生で残していく軌跡になっていくと思う。もちろんこういったレビューすらその足跡であり、人生の醍醐味である。

良い映画は食事シーンを美味そうに描くというが、食事シーンよりも喫煙シーンで私は心躍った。当然のように美味そうすぎるタバコを吸っていて、既に煙草を辞めた私でも今すぐコンビニに駆けつけて一緒になって吸い始めたくなるくらいだった。

名作として紹介され、いつかは観ようと思っていた本作品だが、誰しもそんな時がいずれやってくるのだと思う。
衝動に駆られてみたわけでもなく、何となくタイトルと評判を聞いていたからふらっと立ち寄って「いい映画だったな」と噛みしめる、そんな作品でした。
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