こたま

最強のふたりのこたまのネタバレレビュー・内容・結末

最強のふたり(2011年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

すごく良かった。
脊髄の損傷で頭以外動かせないフランソワ
の介護者として、ドリスが意図せず採用される話。
フランソワは、これまでまで介護者はみんな同情ばかりしてきて本音で話もできず、飽き飽きしていたが、ドリスは違った。
ドリスはフランソワを障害者として見ずに、障害者に対するブラックジョークを言ったり、率直に思ったことを口にして行動する。そんな正直な姿はフランソワには新鮮で、お互いに率直に気持ちを言い合える存在となり、観ていてそれが心地よい。
ドリスとフランソワはそれぞれにないものを持っていて、それがお互いに新鮮で素晴らしい時間を作ってる。
フランソワは富裕層の生活、ドリスは貧困層な生活、をこれまでしてきて、絶対に交わることのなかった2人だったけど、だからこそお互いの感性や経験、モノの見方とか自分にはないものをお互いに持っている。
特に感動したシーンは、フランソワの誕生日パーティーで、お互いに好きな音楽を披露するシーン。
フランソワはオーケストラに色々なクラシックを弾かせてそれをドリスに聞かせる。ドリスはこれまではクラシックに興味なかったけど、フランソワが勧めるからとちゃんと聴いてみる。それぞれの曲に対して、率直な感想を言っていてなんだかんだ楽しんでて、フランソワはその感想に対して自分にはない視点で面白がる。「この曲は有名だ知ってるぞ!コールセンターで待たされる時に聴くやつだ」的なところとか面白い。オーケストラの演奏者も笑ってる人がいて、フランソワだけでなくその場の他の人たちも、ドリスから自分にはない新たな視点を教わって楽しんでるのがすごく良い。
そして逆にドリスが今時の曲を聴かせて、それをパーティに参加していた富裕層の人達も楽しんでダンスしてて、お互いに知らない楽しいことを経験しあってるのがすごく良い。
フランソワは、ドリスと出会えて本当にに良かった、ドリスがいたからあの歳になってからもう経験しなかったであろう、たくさんの初めての楽しい経験ができた、ドリスがいたからこそ文通相手と会ってもう経験しないだろうと思っていたドキドキな新たな恋を味わえた。
ドリスはフランソワと会って、これまで経験したことのなかった新たな世界を知れた、絵を描いてみたり、芸術や詩に詳しくなったり、それがドリスの人間性をさらに深めた。お母さんとまた向き合うことができた。
2人はお互いに欠かせない存在で、お互いにないものをもっていて、お互いを高め合う存在、まさに最強の2人である。
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