ヘイデンワ

未来世紀ブラジルのヘイデンワのレビュー・感想・評価

未来世紀ブラジル(1985年製作の映画)
4.5
あなたが良い映画だと思うものは何だろうか。
おれの答えを先に言っておくと、良い映画とは余韻に他ならない。
十代の頃は映画といえば、全米が泣いたり、衝撃を受けたりするハリウッド映画ばかり観ていた。ところが年を経るごとに、ハリウッド映画のような純粋なエンターテイメント作品は、観ている最中は面白いが、見終わった後何も残らないことに気付いた。
本当に良い映画とは、見終わった後の余韻がずっと残っているものなのだ。視聴から一週間経ち、数か月経ち、一年以上経っても、ふと気が付けば、あの映画のワンシーンが脳裏に蘇ってくる。そういう映画が本当に良い映画、名作というやつなんだと思う。そして、おれにとっての良い映画の代表作が、この「未来世紀ブラジル」である。悪夢の連続のようなラスト20分の展開は、今でも忘れられない映像体験として、おれの海馬に刻み込まれているからだ。