HANA-BIのakubiのレビュー・感想・評価

ひとは、零れてゆくものを必死で守ろうとする。落とし物にも気づかずに、今日も街はぴかぴか明るくて眩しすぎる。
わたしたちは痛みを、完璧に分けあうことはできなくて、息のできる場所をいつも探してしまう。

壊れた心を見せあえたなら、少しは楽になれるだろうか。

ひとりぼっちの蛍。砂浜を舞う少女。ぼろぼろのカイト。雪のうえの血痕。
波の音が落ち着くのは、すべてを浚ってくれるような気がするから。