Hario

ミツバチのささやきのHarioのネタバレレビュー・内容・結末

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

【2023年劇場鑑賞作品47作目】

「午前十時の映画祭」
町山智浩さん解説映像付き上映

今作を知るきっかけとなったのも町山さんのPodcast (Enter Jam アメリカ映画特電)『パンズ・ラビリンス』の回だった。もう随分前のこと。フランコ独裁政権下で撮られたという前情報を知っての鑑賞。

いくどとなく映し出されるアナの吸い込まれる様な眼差しに完全に心を奪われる。ただ可愛いだけで言い表せられない、何とも言えない気持ちになる。一番強い印象を残した。

内戦と独裁政権で疲弊した国を表すような灰色の田舎の風景。

村外れの井戸のある古屋を望む小さな2人のショット。

ハーフコート丈を子供が着ると、白衣のようで小さな研究者かお医者さんみたいで可愛かった。

養蜂とミツバチの研究者の父とhoneycombのガラス窓。 父の働き蜂に関してノートに記してる内容が怖いと感じていたら、上映後の解説を聴き、膝を打った。

アナの姉イザベルが表現している意地悪や猫への暴力が、フランコ政権に従順し適応してる人。
対してアナが示すものは、独裁政権からの自立への希望。Yo soy Ana…… 胸熱😭

国の検閲を潜り抜ける為に直接的な表現を避け、芸術表現の中に隠したメッセージ。解説を聴きながら、やはり以前に町山さんから聴いたアスガー・ファルハディ監督の話を思い出していたら、「今のイランですね」と話されて、私の映画知識ってホント町山智浩さんから得ているなとウフフと内心で笑ってしまった。

(おまけ)
スペイン語の映画を観る時、数少ない知ってる単語やフレーズを耳にすると嬉しくなる。
Una para ti, otra para mi.
普通によく出くわすフレーズでしょうが、だからこそ聴いた瞬間ハッとして、気に入ってしまった☺️
Hario

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