瞳をとじてから逆行して見た分、冒頭の映画を見に集まる人々の多さやそのまなざしに、ビクトルエリセは本当に本当に映画が好きなんだなと感じた。フランケンシーンの構図もいわずもがな。もはや呪いのように好きなのだろう。
もちろん、全カットどこを静止画にしても絵画のように見える芸術性、光と影、無邪気さといった、ありとあらゆる美しさも刺さる。
明らかに調律が狂ったピアノや美しさの中に常に物悲しさがあったり、蜂の生態についてやたらしつこく言ったりするところにメッセージが感じられるのもよかった。
でもまぁ込められたメッセージについてあれこれ考えるのもそんなに得意じゃないので、ただただ映画愛と美しさに浸りたい。