スローモーション男

ミツバチのささやきのスローモーション男のレビュー・感想・評価

ミツバチのささやき(1973年製作の映画)
4.5
午前十時の映画祭で再観賞したので

 高校2年の時に初めて観た作品ですが、その時は台詞ないし、感情もないし、物語に盛り上がりもないし、おまけにスペイン内線とかもよく分からなかったので、退屈に感じて理解できなかった作品です。

 ですが年齢を重ねていくうちに『ミツバチのささやき』ってめっちゃ良い映画かもと思い始め、この際にもう一度観た次第であります。

ビクトル・エリセ監督作品。

 スペインの小さな村でアナという少女がいました。アナは公民館の映画興行で観た『フランケンシュタイン』に心動かされます。そして、町外れの小屋にとある男の人を見つけてフランケンシュタインと女の子のように交流が始まるのですが…。


 今観ると構図やカメラワークというショットの素晴らしさに感動します。
 母親が手紙を出すシーンでカメラが横移動し、アナとイザベラが屋敷で扉を次々開けて走っていくシーンを小津ショットのように撮ったりしてました。
 
 また、養蜂を経営する父親のように屋敷の中のシーンは黄色い照明で撮られていてまるで蜂の巣のなかにいるよう。

 その蜂が外へ出て下界の者と接触する。その美しさは映像でしかできなかった。

そして何よりアナ役のアナ・トレントが可愛い!!!
 可愛い世界だけどスペイン内戦の残酷さも垣間見れる。

詳しい話をもっと聞きたいです!
午前十時の映画祭、上映後に町山さんの解説映像あるって聞いたのになかったのですが…。