スローモーション男さんの映画レビュー・感想・評価

スローモーション男

スローモーション男

Our Summer(英題)(2023年製作の映画)

4.5

 韓国の短編映画

あいち国際女性映画祭入選作品
シネマスコーレのフィルムシックスセンスにて

里帰りしにきた男性と恋人、母親と楽しく過ごしていたが、実は雇われの恋人で…。

映画はこうでなきゃいけな
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ねじけたつま咲き(2021年製作の映画)

3.6

 シネマスコーレのフィルムシックスセンスにて

 良かった

2人の女子高生が憧れの男の子を巡っての物語。

単純なストーリーに淡い映像。そして、2人の心情を語るように操作される物体の運動。
活発な女
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DV─ドメスティック・バイオレンス(2001年製作の映画)

5.0

 衝撃
鑑賞1週間経ってやっと書くことにしました。
キネマノイで16ミリフィルム上映

DVの被害を受けた人々に住む場所と癒しを与え社会復帰を目指す施設での話。

冒頭で住宅街に警察官が駆けつけ、旦那
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ヨーロッパ(1991年製作の映画)

4.5

 ラース・フォン・トリアー作品
 個人的にはすごく好きな作品だった。
 ヨーロッパ映画を再現しているシネフィルの良いところが全部詰まっている。

 第二次世界大戦終結直後のドイツで鉄道員として働くこと
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楢山節考(1958年製作の映画)

4.5

 「姥捨山」の噺を木下惠介が映画化。
フランソワ・トリュフォーが絶賛した作品でもある。

 70歳になる母親を村の規則で楢山に捨てにいかなければならない息子の葛藤物語。
 「日本むかしばなし」でも取り
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チチカット・フォーリーズ(1967年製作の映画)

5.0

 『ボストン市庁舎』以来のフレデリック・ワイズマン作品

 ワイズマン特集のおかげで観ることができた。
 デビュー作品にして完全に作家になっている。
 
 マサチューセッツ州の犯罪者の精神病院。そこで
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エレメント・オブ・クライム(1984年製作の映画)

3.7

 ラース・フォン・トリアーの長編デビュー作品

 犯罪者と同化していく刑事の狂気的な物語として面白そうでしたが、実際はあまり起伏のない物語でそこまで好きではなかった。

 ただ、構図とかカメラワークが
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ラブ&ポップ(1998年製作の映画)

4.2

 あの素晴らしい愛をもう一度

タランティーノと庵野秀明は変態

実相寺昭雄と市川崑の影響強め

手塚とおる、モロ師岡、浅野忠信がキモすぎ

ヤンクミのJK時代

とにかく色々ごちゃ混ぜだったけど思い
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ラジオ下神白―あのとき あのまちの音楽から いまここへ(2023年製作の映画)

5.0

 この世界にずっと浸っていたい。

東日本大震災で被災者となった人々。人々を繋ぐラジオ、想いでの曲。

三宅唱が小森はるかの映画を絶賛していて初めて観たのですがなぜ人々の喜び楽しみをここまで映像にでき
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PASSION(2008年製作の映画)

4.8

濱口竜介特集にて 東京藝術大学大学院修了作品

すごかった

最初はカサヴェテスとエドワード・ヤンのオマージュ多すぎてパクってんじゃんと思いましたが、徐々にこの異常な世界観にハマっていく。

 仲間内
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小公女(2017年製作の映画)

4.2

 今、大学院の学費を自分で払っている身からするとお金のない若者の様子を見て他人事じゃないなと思いました。

韓国で家事代行をしながら、生計を立てるミソは大好きなお酒と煙草のために家を捨てて色んな人の家
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のんき大将脱線の巻(1949年製作の映画)

4.0

 ジャック・タチの長編デビュー作品

 まだユロ氏になるまえに郵便配達キャラを演じていた。

前半はただのドタバタ喜劇でしかないので掴み所がなく映画の世界に入り込むまで時間がかかった。途中でアメリカの
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甲州街道から愛を込めて(2022年製作の映画)

4.5

 いまおかしんじ監督作

 3人の女と1人の男が甲州街道を車でドライブする物語。基本的にすごいドラマが展開するわけでない。なのに、観たあと幸福を味わう。

いまおかしんじの作品はちゃちい。低予算で照明
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カンフーマスター! デジタルレストア版(1988年製作の映画)

4.5

 初めてのアニエス・ヴァルダ作品

『5時から7時のクレオ』とか『幸福』とか『冬の旅』を観ようとしたが、気力がでず、この映画が初めての作品となりました。

面白かったです!『カンフーマスター!』と名付
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ぼくのお日さま(2024年製作の映画)

4.8

 好きです♥
とても痛くて苦しくて、でも美しくて儚くて…。

カンヌ国際映画祭のある視点部門出品

 北海道の小さな町を舞台に吃音症の少年とフィギアスケーターの少女とその2人を教えるコーチの小さな恋の
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周遊する蒸気船(1935年製作の映画)

3.7

 あんまり好きな映画ではなかった…。

ジョン・フォード作品

 なんか異常にテンション高い映画で、困ってしまった…。
 燃料つきてやたらめったら色んな物を竈門にぶちこんで蒸気船動かすとことかは面白か
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夜の外側 イタリアを震撼させた55日間/夜のロケーション(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

 点数を付けてないのは途中でギブアップしたから。

5時間40分の大作で前編と後編になっているが前編でもうこの映画は合わないと思い観ずに帰りました…。チケットまで買ったが…。

3時間の前編もほとんど
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エイリアン:ロムルス(2024年製作の映画)

4.5

 おー!!!
『エイリアン』1作目が大好きな自分にとっては愛情だらけの映画で面白かったです!

ノストロモ号のエイリアン事件から20年後。ウェイランド・ユタニ社はノストロモ号の残骸からエイリアンの死骸
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新学期・操行ゼロ(1933年製作の映画)

4.5

 革命だ!!!
29歳で亡くなった伝説的映画監督ジャン・ヴィゴの作品

この作品がなければ『大人は判ってくれない』も『ifもしも』も『小さな恋のメロディ』も『ムーンライズ・キングダム』もなかった。元祖
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土と兵隊(1939年製作の映画)

3.7

 戦意高揚映画として作られた作品

内容はほとんどストーリーがなく兵士の活躍が描かれるだけ。
正直、退屈でしたが、歩兵部隊がただ歩いているだけのショットがそれぞれ素晴らしかった。人が歩いているだけでこ
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父ありき(1942年製作の映画)

4.5

 小津安二郎の映画では笠智衆が初めて父親という役を演じて主演を果たした記念作。

 父親と息子の物語だが、前半の息子が小さかった時の話はあまり面白くない。息子が成長し教師となったあと時代に取り残される
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トウキョウソナタ(2008年製作の映画)

4.5

 『Chime』が怖すぎたが、こちらは別の意味で怖かった。

 トウキョウとタイトルにある通り、小津安二郎の映画に非常に近い内容で、本当のことを隠すことで家族が崩壊していく内容。

香川照之や小泉今日
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Chime(2024年製作の映画)

4.8

 怖すぎた…。

音で不穏を煽ってくる映画として『関心領域』と並ぶ。

黒沢清が本気出すとこうなる。
45分という上映時間も素晴らしいです。

タブウ(1931年製作の映画)

3.6

 スマブラのラスボスは…

ムルナウとフラハティが作ったポリネシアの映画だけど微妙でした。
世界観はやっぱりディズニーの『モアナと伝説の海』と同じ土着の宗教と聖処女にまつわる物語。
 長老の教え通り、
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永い言い訳(2016年製作の映画)

4.8

 『すばらしき世界』がめちゃくちゃ好きだったので、久しぶりに西川美和作品を。

観光バスの転落事故で亡くなった妻を愛せなかった夫の幸夫は、同じく転落事故で妻を亡くした陽一の子供2人の面倒を見ることに。
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ふれる(2023年製作の映画)

4.5

 去年のPFFアワードで準優勝になった作品 

 監督がまだ23歳でこの映画製作時は21歳という若さでここまで素晴らしい出来だったので驚いた(というか自分と同じ年…。)

 母親を亡くした小学生の美咲
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とあるふたり(2024年製作の映画)

4.8

 素晴らしい!
今まで観た自主映画、短編映画のなかでもここまで完璧にできているものもないくらい。

 小学生のワタルは将棋教室にいる女の子に恋してるが話せない。おじさんが将棋の練習をしてくれて、何とか
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ECCE(2024年製作の映画)

3.6

 東京学生映画祭入選作品

SNSで有害なコンテンツを削除する仕事をしていた男が実験をするが、次第にそれを企画した学者3人が狂っていく。

 色々な宗教観による現代社会の批判に見えて、それら物事を遊ん
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翔のいた夏(2023年製作の映画)

3.0

 東京学生映画祭入選作品みたい。

 監督がまだ高校生ということで、これだけの作品を作ってしまうのは感服しました。
あと音に関しては凄く効果的で電話と階段を降りる足音がものすごいでかくて驚きます。
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マミー(2024年製作の映画)

4.2

 話題の作品

和歌山毒カレー事件の犯人とされ現在、死刑囚の身である林真須美。だが、冤罪説があるこの事件に真っ向から挑んだドキュメンタリー作品。

 この事件は小学生の頃、「世紀の大事件」とかの殺人事
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ラルジャン(1983年製作の映画)

3.8

 凄い映画だけど好きじゃない…。

ロベール・ブレッソンの遺作。
トルストイの短編小説を映画化

 偽札を使った少年から始まり、それをさらに使った青年に次から次へと不幸が重なり、やがて大事になっていく
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モガディシュ 脱出までの14日間(2021年製作の映画)

4.8

 これは凄い!!!
なんで公開当時観なかったんだと、後悔しました(笑)

 1990年アフリカのソマリアで起きた内線に巻き込まれた韓国大使館の人々と国連に入るために嫌がらせ合戦をしていた北朝鮮の大使館
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都会の女(1930年製作の映画)

4.2

 都会の女がある男と愛し合い、男の実家のある田舎に嫁いでくる。しかし、乱暴な父や農夫たちに虐められていく。

 『サンライズ』で都会の女を悪女として描いたムルナウが、今度は都会より田舎のが怖えぇ… と
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メトロポリス(1927年製作の映画)

4.8

 やっと観れた!

ドイツ表現主義の最高到達点!
ウーファ製作史上巨額の大作!
映画史に残る古典的名作!

 フリッツ・ラングの代表作であるこの作品はSF映画の古典で現在でも数々の映画や漫画、小説に影
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ファウスト(1926年製作の映画)

4.8

 凄い!さすがウーファ製作!

 ムルナウが念願だったゲーテの『ファウスト』を映画化。原作は未読ですが、あらすじは知っていたので難なく入り込めた。

 悪魔メフィストと契約したファウストは、若さと絶対
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下宿人(1926年製作の映画)

4.2

 ヒッチコックのサイレント時代の作品を初めて観た。

 金髪の女性が次々と殺される事件が発生。宿の2階に住んでいる男がどうも怪しいが…。

 前半はすごく面白かった。特にオープニングでいきなり「威風堂
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