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山猫のぉゅのレビュー・感想・評価

山猫(1963年製作の映画)
3.6
2021年 鑑賞 21-308-19
完全復元版を鑑賞
イタリア貴族の末裔であるジュゼッペ・ランペドゥーサ氏が自身の体験を基に描いた、彼唯一の長編小説を原作とした、「異邦人」「ベニスに死す」等のルキーノ・ヴィスコンティ監督・脚本の、監督自身が初めてイタリアの貴族社会を取り上げた作品でもあり、後の作品に続く転機となった、イタリア貴族とその没落を描いた作品。

19世紀半ば、イタリア統一戦争のさなかのシチリア島。13世紀から続くシチリアの名家の当主でサリーナ公爵であるファブリツィオ(バート・ランカスターさん)は、家族とともにパレルモの近郊の屋敷で貴族としての伝統を守りながら暮らしていた。ガリバルディ将軍(ジュリアーノ・ジェンマさん)の赤シャツ隊がシチリアに上陸すると、ファブリツィオが目をかけていた甥のタンクレディ(アラン・ドロンさん)は新しい時代の波に乗るべくガリバルディの軍に合流する。シチリアからブルボン王朝が撤退し、その機を見て資産をたくわえ、勢力を身につけた市長セダーラ(パオロ・ストッパさん)の姿を、ファブリツィオは冷ややかに見つめていた。そんななか、セダーラの美貌の娘アンジェリカ(クラウディア・カルディナーレさん)にタンクレディが恋をする。タンクレディに思いを寄せる娘コンチェッタ(ルッチラ・モルラッキさん)をよそに、ファブリツィオは二人の結婚の仲人を引き受け...

時代背景をしっかり勉強しておくべきであったと痛感... なんとか付け焼き刃で、一時停止とウィキペディア頼みをしつつ鑑賞。

とても美術的な作品で、風景、屋敷の造り、内装 、屋敷に置いてある物、登場人物の服装など、凄く美しい!絵画風シーンなども観られ、とてもお洒落な雰囲気を感じる!いい意味で生活感のないところがいい!もちろん作中に登場する料理も、手が届きそうにないの感じが好き!ワッフルっぽい、パンケーキっぽい、円状のスウィーツは食べてみたい!

国民投票の結果が、シチリア島の歴史とファブリツィオの生涯のターニングポイントとなる。
アンジェリカとタンクレディの結婚。アンジェリカ役のクラウディア・カルディナーレさんのセクシーさも感じたが、タンクレディ役のアラン・ドロンさんも負けないくらいセクシーだった!

舞踏会の鮮やかさ!人の多さや揃った動きも鮮やかだが、ドレスの色彩も鮮やか!そして、この会や、扇で仰いでいる人も含め、あの空間自体が鮮やかそのもの!しかも舞踏会のシーンがとても多いのも魅力!
舞踏会の一夜こそが、ファブリツィオの廃れゆく前の栄華を表した一夜だったのだろう...

余談:隻眼のセクシーさも感じた作品だった!
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