Omizu

山猫のOmizuのレビュー・感想・評価

山猫(1963年製作の映画)
4.0
【第16回カンヌ映画祭 パルムドール】
ルキノ・ヴィスコンティ監督作品。バート・ランカスター、アラン・ドロン共演の歴史劇。

バート・ランカスター演じる伯爵は地元の名士、しかし激動のイタリア統一戦争の中で没落していく。

ヴィスコンティ作品は初鑑賞。流石のリッチな映像で三時間舐めるように貴族階級の生活を眺めた。

アンジェリカが登場したときの息を呑むような美しさといったら…!『嵐が丘』のキャサリンのような、『風と共に去りぬ』のスカーレット・オハラのような派手な美人でとても好み。

貴族階級の生活を濃厚に描写しつつ、自らの衰退を悟って消えていきそうな伯爵をバート・ランカスターが見事に演じてみせている。

後半一時間はじっくり舞踏会のシーン。髪を編み豪華なドレスに身を包んだ女性たち、軍服やタキシードの男性たち、膨大な使用人たち…観ているだけで幸せだった。

没落貴族はルキノ・ヴィスコンティ自身の反映でもあろう。しかしそれを劇的な、派手な演出はせずに老伯爵の言葉や表情で自ら身を引くのをみせていくのが素晴らしい。

長いけど見て損はない。ぜひ!
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