ans

リアリティ・バイツのansのレビュー・感想・評価

リアリティ・バイツ(1994年製作の映画)
5.0
は?!このタイミングで見るこの作品にどれほど意味があったのか自分自身しか知らないのが悔しい。

もしも就活目前にしてるのにも関わらず現実逃避を続けてて、メディア、映像、文化、現代社会、倫理、思想などについて専攻してる大学生が他にもいたら、絶対に見て欲しい。

そもそもビフォアサンライズ見てイーサン・ホークにハマってとりあえず見てみよって軽い気持ちで借りただけだったのに!


結局、妥協して現実に生きるか、現実を諦めて理想を追求していくかみたいなのが全体としてのテーマにも感じた。
前半は社会に対しての不満。
ほんとにわかる。てか、国が違えど時代が違えど何にも変わらないじゃ無いか。資本主義社会に翻弄されることに気付いてしまったわたし達にだけ感じる窮屈さ。みんなみたいに普通に就活して、良い企業に就職して幸せな家庭を持つことに幸せを感じれればいいのに、もう無理なんだ。
一回俯瞰してみたり、客観して見てしまったらそういう人たちを見下して自分はそうならないぞ!とか思っちゃったり。イーサン・ホーク演じるカートコバーン風のトロイとかまさにそんな生き方してた。
それから、リレイナの撮ったビデオ。見栄とか受けとか考えずにリアルに挑戦した作品があーやって商業化されてしまうっていう悔しさとかすごい分かりみが深かった。だから資本主義社会ファッキューてなるんだよね。

後半は恋愛にスポット当てた感じ。正直言って、グランジ好きだしロン毛好きだし哲学専攻して虚しいだけの人生を生きてるニヒルな男に魅力を感じちゃうのスッッッゴイわかる。わかるけど、どうせ長続きしないことなんて目に見えてるんだ。マイケルはバランスの取れてる男だったよ。たしかに現実に生きてるし、夢だけを追いかけるトロいとは相容れない人ではあったけど、「理解」しようとしてる気持ちはあったじゃないか。それでもやっぱライブハウスでトロイが言ってたこともすごい的を得てて、、、うわぁ、、って感じ。それでも!それでも!マイケルがしてたことはフェイクじゃないと思ってる。例え相手の考えを読んで自分を抑えてまでしてくれたことは、それは「思いやり」っていう意味ではホンモノだと思うから。
でもどうなんだろうね、わたしも結局トロイを選んでしまうのかもしれない。


あとあれだね、弱ってる時に延々と知らない人と電話してるシーンとか、夜な夜なティンダーでマッチした知らない人とチャットしてる自分と重ね合わせたりもしちゃうよね。😁
ans

ans