はるこ

善き人のためのソナタのはるこのレビュー・感想・評価

善き人のためのソナタ(2006年製作の映画)
4.0
もっと怖い作品だと思ってた。

いや、盗聴されるってだけでも充分怖いか、、

冷徹なヴィースラーだが、ドライマンのピアノを聴いて心動かされる。

確実な報告案件を耳にしてしまった時、どうやって上に報告しよ、、っていう反応がちょっと可愛い笑

最初は怖い印象しかなかったヴィースラーだけど、だんだん人間らしさが垣間見えてくる様がよく描かれているし、それを演じるウルリッヒ・ミューエも素晴らしい。

ヴィースラーは間違いなく"善き人"だった。

でもそれは自由な暮らしをしている私たちがそう感じるだけであって、当時の東ドイツからしてみれば"悪"になるのか。
異なる国家の方針、思想の中では善が悪になるし逆も然り、、
何が正しくて間違っているか、それは絶対的なものではなくて自らが置かれている立場や環境によって左右される流動的なもの。
ただ、ヴィースラーは自分の中で正しいと思った行動を貫いたということに意味があるんだと思う。

うむ、難しい。

長いし画面も暗くてちょっと退屈だったけど、ラストのひと言に感情全部持ってかれた。
はるこ

はるこ