もとしょん

善き人のためのソナタのもとしょんのレビュー・感想・評価

善き人のためのソナタ(2006年製作の映画)
4.3
状況は違えど、これも一種のストックホルムシンドロームなのかも。
厳格に過ごしてきたヴィースラーがドライマンとクリスタの生活に触れ、愛や情に惹かれて、自分の中の善き人を探し出そうとしてるのが分かる。尋問シーンでのヴィースラーの表情が絶妙で、ああこの人は誰よりもピュアな人だなって思った。

終盤の止まった時間が刻々と進み出すような流れが好き。最高に救いのあるラストだった。
東ドイツの寒々とした空気感と多くを語らない登場人物たちの中に熱い想いがいっぱい詰まった映画。