大木茂

日の名残りの大木茂のレビュー・感想・評価

日の名残り(1993年製作の映画)
3.2
1993年の映画っぽくない画の綺麗さっていうか2002年って言われても違和感ないわ
にしても奇妙な映画だな
カタルシスもなければ事件もない
凪みたいな不快感もないが残るものもない珍しい作品
アンソニーホプキンスが息子を演じるってのも変な感じ
ロビンウィリアムズの元ルームメイトのクリストファーリーヴがゴツカッコいい
メイキングインタビューでは事故後だったのでなんとも言えない気持ちに…

終盤急に20年飛ぶの結構残酷だよな突き放し方がエグい
20歳の20年後ならまだいいけど
56歳の20年後は酷だよ
しかも年老いた父親っていう未来の自分を序盤に見せているのも中々…

政治思想も同僚や異性への淡い想いも封印しなければならないという自分への枷は人間としては魅力的だがいき過ぎると病的にもなりかねない寂しさがあった
確かに自分の意見を言わないのは無知だと思われる恐れもあるけど
述べたら述べたで現状が崩壊する事への危機回避でもあるんだよな

(メイキングで今更なんだけど回想、現代を行き来してんのか
フェアプレイや紳士の国イギリスに仕えてた執事があの時のドイツと協力するのを横目に没落して最後はアマチュアってバカにされたアメリカ人に仕える事になったってもう一つ展開される哀しい話なんだな
ナルホド…でも信語の面白味はあんま感じなかったな
てかアンソニーホプキンス20年の違いが分かりづらいんだよなもっと分かりやすくして欲しかった…)


なるほど!
どちらを選択した…
じゃなくて選択すらしなかった男の人生の話だったのか

日本人が書いた原作を
イギリス人、インド人、ユダヤ人のそれぞれ違うルーツがある3人が手がけたってのもなんだか面白い
大木茂

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