じゅんP

ロストパラダイス・イン・トーキョーのじゅんPのレビュー・感想・評価

4.2
白石監督の『ひとよ』を観た際に、いつも以上にやさしくあたたかい話という印象を持ったんですが、むしろそっちが原点だったんだなと。

擬似家族としての必然性のなさ、結びつきの弱さがかえって彼らの心の内を浮かび上がらせている。

マンションの電話営業、デリヘル、地下アイドル…圧倒的に空虚な現実の数々と、笑っちゃうくらい現実味のないパラダイス。3人には足りないものが多すぎて、それでもあの日踊ったダンスは、足りない何かを少し埋めてくれたんだ。

『凶悪』にも通じる、これをあなたはどう観る(=消費する)んですか?という現実的視点を担うドキュメンタリー撮影班の2人も良かったし、奥田瑛二が出てくることで何重にも緊張感が走るシーンも楽しい。
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